
業務用厨房・調理器具「アルミ魚缶」のメリットやオーダーメイド対応について
業務用厨房・調理器具「アルミ魚缶」は、魚市場や食品加工メーカーなど食品業界で幅広く使われています。調理パッドとして魚以外の食材の下ごしらえや調理・保存にも使用可能です。
この記事では魚缶の概要や求められる条件、アルミ製のメリットを解説するほか、当社によるオーダーメイド対応についてもご紹介します。
業務用調理器具「魚缶」とは
業務用調理器具「魚缶」は、魚などの食材の貯蔵・運搬用途で使用される容器(バット)です。
一般的に取手がついており、運びやすい形状です。
幅が数十センチ程度の比較的大きなサイズのものが多く、浅型・深型などさまざまな高さの製品があります。
使用しないときには積み重ねて保管ができるため、魚缶を置くスペースが1か所あれば、ひとまとめにして置いておくことが可能です。
水洗い後の運搬用途などで、底面や側面に水切り穴が複数空いている魚缶もあります。
魚缶が使われる業界
魚缶が使われる業界は幅広く、魚市場・食品加工メーカーのほか、魚以外の食材・料理を扱う店舗等でも使用されています。
食材・食品を扱う多くの業種で使用されるのが特徴です。
アルミ魚缶(コンテナ)の使用場所として珍しい所では、自動車整備工場の廃オイル受けとしてや整備工具入れ、また金属熱処理工場での製品運搬用途などがあります。(熱処理で高温に加熱されたボルトやナットの運搬)
業務用調理器具「魚缶」に求められる条件
業務用調理器具としての魚缶には、次のような条件が求められます。
- プロユースに耐えること(長期にわたって安心して使える)
- 業務用に見合った強度・耐久性があること
- 食材の汁などに対する耐食性があること
- 用途によっては水切りができること
これらの条件を満たしたうえで、使いやすさを求めるとアルミ製が有利です。
また、アルミの加工性の高さを活かして、さまざまな大きさ・形状の製品をすばやく製造できます。
アルミ製のメリットを活かした魚缶

アルミ板金製品は加工性が高く、絞りや穴加工などに柔軟に対応できます。
ただ、絞り加工についてはアルミ特有の難しさもあるため、高い加工技術が必要です。
アルミはそのままでは腐食しやすいため、アルマイト処理を行って耐食性・耐久性を改善します。
さらに撥水・撥油性、防汚性、耐熱性を付加するために、フッ素コーティングを行うことも可能です。
これらの特徴・メリットによって、魚缶に求められる条件をクリアできます。用途に合わせた調整も可能です。
当社のアルミ魚缶は以下のページでご覧ください。
製品紹介 - アルミ魚缶
プラスチック製との違い
アルミ製の魚缶とプラスチック製の調理バットとの違いについて解説します。
まず、プラスチック製に対するアルミ製のメリットは次の点です。
- 強度・耐久性が高い
- 耐熱性が高い
- 熱伝導性が高い
- 破損しにくい
- 破片が食品に混入しても金属探知機で検出できる
一方、プラスチック製は量産するとコストが下がりますが、アルミ板金製は量産してもコストが下がりにくいデメリットがあります。
ただ、一般的にプラスチック製より長く使えることや上記のメリットがあることから、コストが高いとは一概に言えないでしょう。
プロユースにはアルミ製がおすすめです。
アルミ魚缶と似た業務用調理器具
アルミ魚缶は、魚以外の食材にも使用できます。
類似の製品として「バット(調理バット)」や各種の「トレイ」が挙げられますが、構造も用途も似ており、バットやトレイの一部という捉え方も可能です。
アルミ魚缶を製造する技術は、バットやトレイ、その他各種の容器にも展開できます。
たとえば当社の深絞り製品である「保温庫内容器」はその一例です。以下のページをご参照ください。
当社の深絞り製品「保温庫内容器」
そのほか、アルミ板金加工で製造可能な業務用・調理器具について以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
アルミ板金加工メーカーが作る業務用厨房・調理器具を紹介!
太田金属のアルミ魚缶はオーダーメイドに対応

太田金属のアルミ魚缶は、オーダーメイドに対応します。
- 穴の位置をご希望に合わせて変更できる
- 食材や用途にあった加工や表面処理ができる
- 深絞りの最大サイズは350mm
- 取手の取り付けも可能
- スタックして保管できる形状にできる
当社内にある金型を使用し、加工工程でアレンジを加えることで、各種のご要望にお応えできます。もちろん金型設計から入る開発的な進め方にも対応可能です。
当社は各種のアルミ板金製品の開発・製造を行っていますので、さまざまなご相談に対応できます。
アルミ以外の材料・加工方法もオーダーメイド可能
アルミ魚缶を一例としてご紹介しましたが、弊社ではアルミ以外の加工も可能です。
- ステンレス、鉄、それ以外の鋼材
- お客様のニーズに合わせた加工方法
- 様々な形状にも対応可能
これまでの経験を生かしお客様のニーズに対応できるのが弊社の最大の強みです。
アルミ魚缶の改善事例
アルミ魚缶をコストダウンするために、薄型化を図った事例があります。
1.2mmの板厚の製品を0.9mmに変更し、材料費を25%カットしました。
薄い製品を作るには、プレス金型のクリアランスを小さくする必要があり、高精度な加工と動作管理が重要です。また、金型数や絞り工程を多くすること、高性能な潤滑剤を選ぶことなど、いくつかの変更が生じます。
金型費や加工費の追加が発生するものの、材料費を抑えることで量産効果が得られました。
一貫した自社生産で品質と低コストを両立!
当社は金型製作からアルマイト加工やフッ素コーティングに至るまでの、一貫した自社生産が可能です。
業務用厨房・調理器具はさまざまな用途の製品が求められます。用途に最適化するには、設計段階からの検討が必要で、さらに高度な加工技術や工程管理によって品質を高めることが重要です。と同時に、一貫生産によるコストメリットも期待できます。
品質と低コストを両立する太田金属の板金加工をご検討ください。
金型製作〜アルミ板金加工〜表面処理の一貫生産が強み!